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最高裁判所第二小法廷 昭和36年(あ)159号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人能勢喜八郎の上告趣意は単なる法令違反の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして原審がカモシカの原皮(動物を解体しその毛皮を剥ぎ取って陰干にし或いは塩づけにしただけのもの)は昭和三三年法律第五一号による改正の前後を問わず狩猟法二〇条の「鳥獣」に含まれて同条による取締の対象となっているものと解したのは、正当である(大審院昭和一三年(れ)第八〇七号同年七月二八日判決、刑集一七巻六一四頁、昭和三一年(さ)第七号同三三年一月一六日第一小法廷判決、刑集一二巻一号一五頁参照)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)

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